新年のご挨拶 新たな成長への飛躍の年に
明けましておめでとうございます。
2025年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
さて、昨年は国内外ともに不透明かつ混迷の度合いが深まった一年でした。世界ではロシアによるウクライナ侵略の長期化に加え、中東情勢の悪化など、カントリーリスクが拡大しました。また、経済面では米国経済が堅調さを維持する一方で、中国経済の停滞が懸念される年となりました。加えて、昨年は主要国で選挙が相次ぎ、米国では4年ぶりにトランプ氏が次期大統領に就任する結果となり、保護主義や自国第一主義の台頭に対する懸念が再び高まっています。
国内に目を転じますと、1月の能登半島地震や9月の奥能登豪雨といった痛ましい災害に見舞われた1年でした。また、秋の衆院選では与党が30年ぶりに過半数を大きく下回り、少数与党へ転じるなど政治的変動が生じる一方で、経済では歴史的円安や物価高が続く中、設備投資は好調で日経平均株価も史上初の4万円台を記録しました。日本銀行はマイナス金利の解除に踏み切るなど、金融政策にも大きな転換点が訪れました。
日本は経済立国であり、経済成長なくして将来はありません。デフレ脱却を確実にし、成長型経済への転換を進めるにはGDPの6割を占める個人消費の拡大が不可欠と言えますね。
さて、弊社はアーティスト事業部をはじめとし、路面店を運営する店舗事業部、オンライン販売事業部、カウンセリング事業部の4事業部を展開しております。
BtoC個人消費の窓口である店舗事業部にとっては、切花や鉢物が気候変動による不作と価格高騰の影響を受けました。社会不安の強さが顕著だった2024年は個人消費は控えめな傾向にありましたが、弊社ではお客様に最上級のお花をお届けしたいという創業当時からの思いはそのまま、価値あるサービスと品質向上に注力いたしました。
昨今花き業界も価格競争の波に呑まれていますが、弊社では価格で勝負するのではなく、価値創造を続けて参りました。「このお店で買いたい!」、「他店より価格は高くても素敵な花を購入したい!」このようなお客様お一人お一人に弊社に内在する価値がしっかりと届くよう、あらゆる試作を行っております。
以下では、昨年の実績についてお伝えさせていただけたらと思います。
1.2024年弊社の活動実績
2.2025年の抱負と今後の展望
3.日本から世界へ
4.終わりに
1.2024年弊社の活動実績
昨年は1本も「社長のひとりごとブログ」を更新できずにおりました。読者の皆様申し訳ございません。今年は定期的に更新していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2024年は弊社にとって度重なる挑戦の1年でした。
まず、2024年2月のアートフローラル国際コンクール日本代表選考会・Flower Art Award2024への出場。こちらは後日Blogで詳しく書きたいと思いますが、初出場で優秀作品賞・港区賞を受賞いたしました。
作品タイトル「My universe」では神羅万象を表現しました。この作品は1100本の蘭と総重量1110キロという大作です。水持ちの方法や施工プランなど細部にわたり検証しました。パブリックアートとしての大型作品の制作は今回が初めてだったのですが、花とアートを用いて弊社アーティストチームらしい作品が制作できたと感じております。
そして、4月はふるいちやすし監督作品、短編映画「Honey Roasted Chicken」の映画背景美術を担当させていただきました。こちらも弊社としては初の映画大型美術となりました。映画の背景を担当させていただきましたが、戦地に花の丘を創ることにしたのです。「Honey Roasted Chicken」では「戦地に花を生けることの意義」について深く探究しながら美術デザインを構想するとともに、戸外での撮影時、いかに切花のコンディションを保つか、環境に応じた管理方法など、やりがいとともに課題も多いチャレンジとなりました。総勢6名で約10メートル以上の施工をしたのですが、過酷なコンディションにもかかわらずスタッフが一丸となり美術を完成させました。
「Honey Roasted Chicken」は偶然のようにできた作品でありながら、短くシンプルな映像の中に、平和とは何か?戦争という命を奪い合う戦いの中で兵士たちは何を破壊しているのか?という問いかけとともに、平和と調和のもたらされた世界への小さな一歩として戦わないという選択、そして家族や愛する人への温かいメッセージが詰め込まれています。
「Honey Roasted Chicken」はモナコ国際映画祭における最優秀作品賞を受賞、ミラノの映画祭では4冠達成など世界での評価とともに多くの功績を残すことができております。
そして、なんといっても昨年最大のイベントは「戦車に花を生ける」だったと言えます。「世の中にないものを創る」、これは弊社がもっとも得意とする分野です。
ふるいちやすし監督及び会田正裕監督作品「CITIZENs」では映画の各シーンに花と絵をご提供させていただきました。たびたびロケ地に出向き、群馬県庁をはじめ、前橋市のご協力により映画の制作が進んでいきました。
「CITIZENs」ではキービジュアルの「戦車×花」及び、あらゆるシーンを花と絵で彩りました。この映画においては、戦うということを手放した未来の姿を花々に込めて美術制作を行なっております。こちらもまた撮影時のエピソードなどふまえてBlogで詳しく書きたいと思います。
今年公開予定の映画ですが、先月オールアップとなり、今から完成をとても楽しみにしています。
2.2025年の抱負と今後の展望
弊社の海外事業展開は2023年の日本カンボジア国交70周年及びASEAN50周年記念イベントにはじまり、2024年は世界の映画祭に出品する映画への美術協賛という形で素晴らしいスタートをきれたように思います。2025年はこの流れを踏襲しながら、「花で世界制覇」という目標を確実に、着実に達成していきたいと思います。そして、創業当時から変わらず、弊社の1.店舗事業部、2.オンライン販売事業部、3.アーティスト事業部全ての事業部においてお客様にご満足のいただけるサービスを提供し続けてまいります。
「花で世界制覇」という目的を掲げると、海外店舗を運営し、大型作品や個展を行うイメージがあるかもしれません。私が目的とする「花で世界制覇」とは1.店舗事業部においては創業49年の歴史を引き継ぎ地域密着型の店舗として、お客様が身近に感じられるお花屋さんを継続していく。2.オンライン販売事業部においては、直接路面店にご来店いただくことが難しい海外のお客様、遠方のお客様に対して、世界中、日本中からいつでもご注文をいただけるようにシステムの整備。3.アーティスト事業部は、今後も海外での活動、そして大型作品を作り続けける。この3つが包括的に三位一体となって実現すると考えています。
驚くスピードで変化するグローバル社会、複雑化していく生活、環境の異変など、社会の不安定感をより顕著に感じやすい時代に、花を用いて世界中に癒しと新しい未来へと向かう意思と力を与えられる会社であり続けるために、日々精進して参ります。
3.日本から世界へ
なぜ、今日本から世界へ出ていく必要があるのか、それは、日本という国がデフレから脱却できずにいるからです。
近年物価高騰のニュースをよく耳にしますが、日本は世界的にみてもデフレ経済で、小売業にとっては価格競争が止まらずにいます。「コスパ」や「タイパ」を意識した施策は一般消費者にむけての短期的に有効な手段とは言えます。ただし、他店より1円でも安い価格で商品やサービスを提供するというビジネスモデルには違和感を感じます。
弊社が最上級の花や植物を仕入れる理由には、三次産業である私たちが適正価格の商品を提供することにより、一次産業の担い手である優良生産者様に利益還元ができると考えているからです。本来の意味での循環型社会は価格競争の中では実現することができないと感じます。優良生産者様が等級の高い生産物を作り続けるためには、三次産業の私たちがその商品を適正価格で取引する必要があるのです。「他店より高いには理由がある」、そして「高い金額でも買いたい」という意味付けをするためにも海外展開は重要だと言えます。今後も映画美術をはじめたくさんの大型作品を世界中に提供していく所存でございます。
2025年は「アートフローラル国際コンクール」2025日本代表選考会FLOWER ART AWARD2025からスタートします。本日ようやく全ての資料が完成したのですが、今年の街を活けるアワードのテーマ「春、咲きほこるTOKYO MIDTOWN」というテーマで作品をデザインしました。このコンペでは多くの人々が行き交う東京ミッドタウン・パブリックスペースが意欲的なアーティストたちのために解放され、鑑賞者に向けて花を用いたパブリックアートを創造します。FLOWER ART AWARDは作品と鑑賞者が相互に作用し合う活動を通じて、街に新しい生命を吹き込み、フラワーアートで街を活性化させることを目的とし、コンクールを通じて花を用いて芸術とするフラワーアーティストが世界の舞台で活躍するチャンスとなっています。今年は3/19(水)〜3/23(日)まで開催となります。今後の活動もぜひお楽しみに!!
4.終わりに
本年も合同会社エンベリッシュは前向きな挑戦を続けて参りたいと思います。日本がデフレ経済から脱却するためには企業側の「値を上げる勇気」も必要です。消費者にも「良いサービス、良いモノには価値が付く」という認識をお持ちいただき、国民全体のデフレマインドを払拭することも今年の大きなテーマと言えるのではないでしょうか。消費者意識の改革とともに経済環境の改善が実現する社会となることを期待しています。
昨年7月には新紙幣が発行され、1万円札の肖像が渋沢栄一氏となりました。明治の混迷期に日本経済の礎を築いた渋沢栄一氏は「民の繁栄が国の繁栄につながる」という信念だったと言われています。
私たち民間人が繁栄の主役となり、当たらな成長ステージへの道を切り開いて行きたいと思います。
皆様におかれましては、引き続きご支援とご協力を心よりお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。