「花×映画」映画の中での花の役割【若草物語編】
皆さまこんにちは!i-floristスタッフの鎌田です。
近頃はいかがお過ごしでしょうか?
最近はNetflixやAmazonプライムなど、サブスク形式の動画配信アプリが普及し、休みの日は自宅でゆっくり映画を楽しむ方も多いのではないでしょうか?
実は近年、弊社のアーティストチームが映画の美術として、花を使った造作を担う機会をいただけることが増えてきました!
そこで本日のブログから、映画好きな私が選ぶ、花が印象的に使われている映画をご紹介いたします!
また、私たちがこの映画から学べるお花や観葉植物の選び方のご提案もしているので、よろしければ最後までお付き合いください♪
1.若草物語
2.あらすじ
3.映画の中での花の役割
3-1.豊かさを表す花
3-2.マーチ家の中にある花
3-3.映画全体を通しての花
4.映画から学ぶ、お花と観葉植物の選び方のご提案
4-1.家や人の雰囲気に合わせて選んでみる
4-2.気分に合わせて選んでみる
5.終わりに
1.若草物語
本日は花や自然が多く、目を惹く作品として若草物語という作品に着目してみました。今回は【若草物語編】ということで、小説・若草物語と続 若草物語を題材にして作られた映画を2本、花の使われ方に注目してご紹介いたします。
若草物語は有名なお話なので、小説を読んだことのある方、映画を鑑賞したことがある方も多いのではないでしょうか?そんな方にも楽しんでいただけるよう、「花」という新たな視点から、これらの映画作品について話したいと思います!
今回ご紹介する作品は、1994年公開の『若草物語』(原題: Little Women)と、2019年公開の『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(原題: Little Women)です。
以降では分かりやすいように1994年版、2019年版と区別して書かせていただきます。
2.あらすじ
<あらすじ>
南北戦争時代のアメリカを舞台に、4人のマーチ姉妹が様々な経験を通じて成長し、それぞれの夢や人生を模索する物語です。長女のメグ、次女のジョー、三女のベス、四女のエイミーは、それぞれ違う個性と夢を持ちながらも、家族として助け合い、支え合っていきます。
家庭の中での日常の喜びや悲しみ、友情や葛藤、恋愛など、人生の様々な出来事に直面しながら、4人の姉妹が自分の道を見つけていく成長物語です。
3.映画の中での花の役割
3-1.豊かさを表す花
○豊かさを表す花
まず、この二作品の共通点として、豊かさが花で表現されていることが挙げられます。
マーチ家では小ぶりな花瓶に家の何ヶ所にも花が生けられています。家の外には花を育てるための小さな畑があり、そこに咲いている花が家の中で切り花としていけられているようです。
また、マーチ家の花瓶には花とともに、リーフが多めに入っています。家の周りは自然豊かな木々で囲まれており、暮らしの中に自然がすぐそばにある様子が伺え、そんな様子を小さく花瓶で再現しているようです。
ささやかな花々ですが、マーチ家の生活にとても馴染んでおり、これらの様子からマーチ家の生活の様子、豊かさがわかってきます。
マーチ家には、お金持ちの大叔母様がいます。大叔母様の大きな広い家では、大ぶりで華やかな花が大きな花瓶に生けられています。
また、社交パーティーのシーンでは、これもまた大きく華やかに花が飾られています。1994年版では、華やかなドレスに負けないくらいの、金色の花瓶に濃いピンクや水色の背の高いデルフィニウムが大胆に生けられています。
お隣に住む裕福な家庭の青年ローリーの家でも同じように大きな花が使われている姿が描かれることがあります。
2019年版で彼の父からマーチ家へ贈られた花束は、大ぶりな薄いピンク(オレンジ?)の薔薇の花や落ち着いた色味のリーフと、ボリュームのある落ち着いた色味の花束で、華やかなリボンでラッピングされて贈られています。
この花束の色味は、夕暮れの太陽の色を透かし、マーチ家の自然を愛する雰囲気にぴったりです。このように、贈る花束からでもその人の気持ちの大きさや裕福さなどの豊かさが伺えます。
3-2.マーチ家の中にある花
○マーチ家の中にある花
次に、家の中にある花に着目してみましょう。
二作品とも季節で飾る花が変容しています。春夏秋は、生花を生けた花瓶が様々な場所に置かれています。また、ドライフラワーを作っている様子も見られます。秋には紅葉の葉も用いられ、季節感を演出しています。冬は針葉樹の葉を使った装飾、ドライフラワーをメインに装飾しています。同じ家でも、季節によって雰囲気を変える姿は観ていて飽きませんね。
1994年版で飾られている花瓶には、落ち着いた色の赤やオレンジの小花や白い花、グリーンのリーフ、ドライフラワーが生けられています。全体的に落ち着きがあり、家具や壁紙などのナチュラルな色味に馴染むような花が用いられています。
一方、2019年版では、もっとはっきりとした色味が使われています。
また、花の大きさも小さくありません。濃い赤やオレンジの花、花自体が大きく映されることはありませんが、そこにあることがわかるような目立つ色が用いられています。同様に壁紙などの色合いも深みのある色が多く使われているため、家に馴染む花、といった点においては1994年版と変わらずに花が利用されています。
3-3.映画全体を通しての花
○映画全体を通しての花
最後に、映画全体を通しての花の使い方に着目してみます。
1994年版で、花は常に映るような存在です。嬉しい時も、悲しい時も、どんな時でも変わらず花がそこにある姿は、マーチ家の成長は常に自然とともにあることを強く示しています。また、成長して変化していく家庭の姿と、いつも変わらず存在する自然との対比がされているようでもあります。
一方2019年板では、登場人物の心情の変化や出来事に合わせて花を用いている様子が伺えます。
アクティブな明るく元気なシーンでは、明るい色の花や明るい緑の葉を使っています。逆に、悲しみや衝突、雰囲気が暗くなるようなシーンでは、花や葉の色は落ち着き、あまり花が映らなくなっていきます。
1994年版と比べると、はっきりと情景に沿った使われ方をしていることがわかりますね。
4.映画から学ぶ、お花と観葉植物の選び方のご提案
○映画から学ぶ、お花と観葉植物の選び方のご提案
今回ご紹介した若草物語の映画作品を通して、映画から取り入れられるお花や観葉植物の選び方についてご提案いたします!
4-1.ご提案その1・家や人の雰囲気に合わせて選んでみる
ご提案その1・家や人の雰囲気に合わせて選んでみる
マーチ家でリーフが多く用いられたナチュラルな花が生けられていたように、その家自体の雰囲気に合わせた植物を飾ることで、お部屋の雰囲気も一体感が出てより一層素敵になることでしょう。
例えば、観葉植物を選ぶ際、一概に観葉植物と言っても、幹の細いものや太いもの、葉っぱの形や植物の色味など、さまざまな違いがあります。実際に見てみると種類の多さからとっても悩んじゃいますよね。
そう言った時にポイントになるのが先ほど申し上げた「家の雰囲気に合わせる」ということです!
インテリアの色が濃いブラウンだから、濃い色の観葉植物にして黒いポットを合わせてシックに演出しよう。
南国のようなナチュラルな雰囲気のお部屋なので、モンステラや、色素の薄い幹の観葉植物にしよう、などなど。
もちろん、ひと目でピンときた植物をお迎えすることも多いですよね。その際にはポットの色や形でお家の雰囲気に合わせることができます。
当店では、観葉植物に合わせてポットの提案もしております。お店に在庫のないものはお取り寄せでカタログからこだわりのものを選ぶことができるので、気軽にご相談ください♪
お花を選ぶ際に参考にしたいのは、「その人の雰囲気に合わせる」ということです。
ローリーの父がマーチ家に送った花のように、相手に似合うように、喜んでくれるようにと相手を想った組み合わせをしていくことは、誰かに花を贈ったことのあるお客様は体験したことがあると思います。
花を贈りたいと想った際にはぜひ私たちスタッフに贈るお相手様のことをお聞かせください!
お花束であっても、アレンジメントのお花であっても、どういった雰囲気にしたいのか、贈るお相手様がどんな方なのかを参考にしてご提案させていただきます。
4-2.ご提案その2・気分に合わせて選んでみる
ご提案その2・気分に合わせて選んでみる
また、自宅に花を飾る際も、人に花を贈るのと同じように選んでみるのはいかがでしょうか?
当店にご来店されるお客様にも、雰囲気に合ったお花の組み合わせをご提案したり、ご自身で選ばれたりしているのを見ていると、その花束がそのお客様を表す小さな世界のようだと思うことがあります。
そして、自分自身に贈るものですから、2019年版で、情景や心情に合わせて花の利用の仕方を変えていたように、今の気分に合わせて飾るお花を変えてみるのはいかがでしょうか?
自信がついた、落ち着いた晴れやかな気分の時は、エレガントな大きな百合を大胆に飾ってみたり、創作意欲がある、ワクワクした気分の時には個性的なプロテアやピンクッションなどのネイティブプランツを組み合わせたお花を飾ったり…色だけでなくお花の形にもお客様の雰囲気や気分に合ったものがあると思います。
自宅に花を飾ると、毎日そのお花が目に入る生活になります。自分自身のことを想って自分に合ったお花を選ぶことで、毎日「自分を大切にした時間」を思い出せて、気軽にセルフケアができるという利点もあります!
5.終わりに
○終わりに
今回のブログでは、小説・若草物語、続 若草物語を題材にして作られた映画を2本、花の使われ方に注目してご紹介いたしましたが、皆さまいかがでしたか?
映画で使われる花は、もちろん美術的な演出のための道具として使われていますが、その根本は、花をどのように使ったら、どう見えるのか、という前提があってのものであると感じます。そのため、家の雰囲気に合わせたり、感情に合わせたりなど、私たちの生活に取り込められる考え方や表現方法がたくさんあることが、この若草物語の二作品からもわかります。
私は映画を見ていると、映画の中の世界に憧れることがたくさんあります。
今回ご紹介したお花や観葉植物の選び方のように、少しでも現実の世界で映画の登場人物と同じような考え、行動ができるととても嬉しく思うのです。
ぜひ皆さんも、さまざまな視点から、映画を楽しんで観てみてくださいませ♪